前回の記事では、緑茶からほうじ茶を作る方法をご紹介しました。今回は、袋を開けてから時間が経つにつれて風味が落ちてしまった、戸棚に眠っている様々な種類の緑茶を使った焙煎実験をいくつかご紹介します。
実験1:2種類の煎茶の焙煎
今回の実験では、以下に示す2種類の煎茶を焙煎し、焙煎の進み具合や味を比較してみたいと思います。
お茶の種類
深蒸し煎茶1杯
深蒸し煎茶(日本では深蒸し茶)は、茶葉を通常より長く(1~3分)蒸すため、茶葉の粉っぽさが増し、お茶の色が濃い緑色になり、風味が豊かになります。

深蒸し煎茶
このお茶は春摘みの茶葉から作られています。茶葉は通常、春、夏、秋の3回、年に2~3回摘まれます。春茶は他の季節の茶葉よりも薄く柔らかく、爽やかな風味と旨味が特徴です。
夏摘み煎茶2本
夏摘みの茶葉を使用しています。明るい太陽の光を浴びて育ったため、春摘みのものよりも葉が厚く、キリッとした渋みと香りがありながら、ほのかな甘みも感じられます。

夏摘み煎茶
焙煎方法
前回の記事の指示に従って、両方のお茶をふるいにかけ、フライパンでできるだけ弱火で焙煎し、焦げる前に火から下ろしました。
結果
深蒸し煎茶1杯

弱火で9分ほど焙煎しました。葉が崩れやすく焦げやすいので、焙煎しすぎないように注意しました。
夏摘み煎茶2本

弱火で13分焙煎しました。深蒸し茶に比べて、葉が厚く丈夫なので焙煎が楽でした。
味の比較
お茶4gを200mlのお湯で90℃(194°F)で1分間蒸らしました。深蒸しほうじ茶は夏摘みほうじ茶よりもすっきりとした味わいで、後味に緑茶の風味が残りました。深蒸しほうじ茶は、市販の高級ほうじ茶や浅煎りほうじ茶に近い味わいでした。
夏摘み茶を使ったほうじ茶は、口当たりがまろやかで、チョコレートのような甘い風味も感じました。お店で売っている深煎りのほうじ茶に近い味でした。
質問
ほうじ茶を淹れてとても嬉しかったです。味もとても美味しかったのですが、深蒸しほうじ茶について少し疑問があります。最初にふるいにかけていた時、細かい茶葉がたくさん入っていたため、トレーに粉状の茶葉がたくさん残ってしまいました。この粉茶をどう使えばいいのでしょうか?

すると、ある疑問が頭に浮かびました。
「ほうじ茶をふるいにかけずに淹れるとどうなるの?」
実験2:ふるいにかけずに焙煎する
同じ深蒸し茶を使って実験を繰り返すことにしました。ほうじ茶の淹れ方は、ふるいにかけないこと以外は実験1と全く同じです。弱火で鍋でできる限り炒り、焦げる前に火からおろしました。

結果
3 ふるいにかけない深蒸し煎茶

弱火で6分間焼きましたが、焦げ付かないようにするにはこれが限界だったと思います。
味
茶葉や茎などの大きな粒は加熱が不十分なので、緑茶の風味がしっかり残っています。細かい粒は、深煎りのほうじ茶のような香ばしい風味が残ります。そのため、緑ほうじ茶のような浅煎りのほうじ茶と深煎りのほうじ茶を混ぜ合わせたような味わいです。緑茶の風味とほうじ茶の風味が絶妙なバランスで調和されていると言えるでしょう。
結論
どのほうじ茶が一番おいしい?

1. 深蒸し茶(ふるい分け)ほうじ茶(左)、2. 夏摘み茶(ふるい分け)(中央)、3. 深蒸し茶(ふるい分けなし)(右)
どれも美味しいと思います。もちろん、どれがお好みかは人それぞれです。私は夏摘みのほうじ茶が好きです。まろやかで深煎りのほうじ茶が好きなので。人それぞれ好みは違うでしょう。どれもホットティーはもちろん、アイスティーとしても美味しくいただけます。ほうじ茶ラテを作るなら、夏摘みのほうじ茶がおすすめです。ミルクとの相性も抜群です。
ほうじ茶を作りやすい緑茶はどれですか?
おいしいほうじ茶を作るには、焦げる前に焙煎を止めることがとても大切です。焦げると緑茶の風味や良い香りが台無しになってしまうからです。
葉が焦げやすいので、丁寧に焙煎する必要があります。夏摘み茶、古茶、茎茶など、葉の大きい茶葉は焙煎しやすいです。ほうじ茶を作るには、夏摘み茶、古茶、茎茶などの葉の大きい茶葉を使うと作りやすいです。
本当にふるい分けが必要なのでしょうか?
ほうじ茶は、ふるいにかけるかかけないかはお好みで。ふるいにかけると焙煎がしやすく、すべての茶葉を均一に焙じることができますが、ふるいにかけずに作ることもできます。見た目は完璧ではなく、焙煎が足りない茶葉もあるかもしれませんが、緑茶と深煎りの風味がブレンドされた味わいをお楽しみいただけます。しかも、簡単に作れて無駄も出ません!ぜひお気に入りの焙じ方を見つけてください。
自宅でほうじ茶を淹れて楽しかったので、皆さんもぜひ淹れてその香ばしい焙煎の香りを体感してみてください!
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