3月は多くの人が春の訪れを喜ぶ時期です。また、日本最古の仏教行事の一つである「お月見」を祝う時期でもあります。お月見は3月の最初の2週間にわたって、様々なユニークな行事が行われます。
お水取り祭り
お水取りは、日本で最も有名な寺院の一つ、奈良の東大寺で行われます。「お水取り」とは「水を引く」という意味で、より長い修二会(しゅにえ)の儀式を総称する言葉としてよく使われます。修二会は2週間にわたる儀式で、懺悔の儀式、火の儀式、水の儀式が含まれます。仏教の教えを心に留め、罪を清め、社会の安寧を祈ることを目的としています。また、新しい春の季節を迎える機会でもあります。祭りの準備は非常に厳重で、僧侶の中には口を閉ざしたり、持ち場を離れたりしない人もいます。懺悔の儀式自体は非公開で行われ、特別に選ばれた11人の僧侶が1日に6回儀式を執り行います。夕刻の儀式は最も長く、3時間続きます。
歴史と伝説
この祭りの始まりについては様々な説があります。ある説では、創始者が数千もの神々を祭に招きました。ある神は漁に出ていて遅れて到着しました。その遅れを償うために、香水を捧げたところ、足元から香水が湧き出しました。その結果、東大寺の井戸から年に一度、水が湧き出るようになったと言われています。
別の物語では、創始者が神々が罪を洗い流し、悔い改めを願う儀式を行っているのを目にした時のことを語っています。創始者はその儀式に畏敬の念を抱き、たとえ困難な作業であろうとも、人間にもその儀式を伝授しようと決意しました。
燃え盛る火の儀式
水かけ祭りで火が焚かれるのは珍しいと思う人もいるかもしれませんが、これは最も興奮し、待ちに待った行事の一つです。儀式は東大寺内の二月堂と呼ばれる境内で行われます。二月堂とは、陰暦の2番目の月を指し、ほぼ3月にあたります。2週間に渡って、夜になると堂のバルコニーで巨大な松明が燃え上がります。松明の大きさと数は日によって異なりますが、通常は10個です。展示は通常約30分続きますが、最終日の夜は例外です。3月14日の儀式は5分間ですが、本当に壮観な展示でそれを補います。大勢の人が集まり、祈りを捧げ、景色を楽しみます。炎から出る残り火は、下にいる人々に幸運と安全な一年を授けます。
水汲みの儀式
そして、3月12日の夜には「真の」お水取りが行われます。寺の前には、伝説にちなんで年に一度だけ使える井戸があります。夜になると、僧侶たちが松明を持って井戸から水を汲み、観音様と一般の人々に捧げます。この神聖な水には、病気を癒し、回復させる力があると言われています。また、水を溜める壺が2つあり、1つは前年の水、もう1つは過去のすべての儀式の水が入っています。
これらの儀式や儀礼を体験できることは、本当に思い出深いものです。そのため、毎年何千人もの観光客が、壮大な炎のショーを目に焼き付け、水の恵みを受けるために訪れます。イベントの中盤と後半は特に人気が高く、大勢の人が集まることがあります。松明を間近で見たい方は、早めに到着して、幸運の火を手に入れましょう。