葛粉(くずこ)は、日本語ではクズ/クズパウダー、英語ではJapanese arrow rootと翻訳されることもあり、日本の山岳地帯に自生するクズの根から採れるデンプンです。ただの「デンプン」だと思うかもしれませんが、クズデンプンは他のデンプンに比べて非常に細かいため、料理用デンプンの中では最高級品だと言われています。その歴史、独特な製造方法、健康効果などについて知るのも興味深いものです。

葛(くず)
起源と生産
葛という植物の名前は、奈良県の国栖(くず)という地名に由来すると言われています。国栖は8世紀に書かれた『日本書紀』にも登場するほど歴史が古く、この地域に住む人々は葛をよく知っていて生活に役立てていたため、「葛」と名付けられたと考えられています。
江戸時代(1603-1858)以来、葛粉は人気の澱粉であり、その生産は広く普及し、葛の最も有名な製造地は奈良県吉野です。
冬に掘り出した葛の根を砕き、布袋に詰め、水に浸して根から澱粉質の液が出てくるまで押し固めます。液に残った澱粉を真水でかき混ぜ、澱粉が沈殿するまで放置します。この洗浄作業を10日間ほど繰り返し、不純物を取り除きます。最後に澱粉を切断し、室温で2ヶ月間乾燥させます。
何度も洗うことで、根は純度の高い白い糊へと変化します。この手間のかかる工程は「吉野晒し」と呼ばれ、江戸時代から受け継がれています。
歴史的および現代的な用法
葛粉は、料理のとろみ付けとして、また葛切り、葛餅、葛まんじゅうなどの菓子作りにも使われてきました。

葛切り(くずきり)は、葛の粉末から作られ、 黒蜜(日本風のシロップ)と一緒に食べられるデザートです。
胡麻豆腐は、ゴマペーストと葛粉から作られる仏教僧の有名な食べ物で、奈良の高野山で仏教の教えが始まった7世紀から食べられてきました。

胡麻豆腐
葛湯は、葛の粉末を入れた温かい飲み物で、消化不良や風邪を治す家庭薬として日本人にはとても馴染み深いものです。
マクロビオティックの普及に伴い、葛粉は近年世界中で注目を集めています。マクロビオティックでは、葛粉は健康維持のための重要な食材として扱われ、様々な料理に使われています。葛が体に良い理由の一つは、葛のデンプンは体を温める働きがあり、他のデンプンは体を冷やす作用があるのに対し、葛のデンプンは血行促進や腸内環境の改善に効果があるからです。
葛粉を生活に活かす方法
他のでんぷん質の代替としてお使いいただけます。スープや炒め物のとろみ付けにお使いいただくと、料理になめらかな食感と艶を与えます。コーンミールの代替としてもお使いいただけます。野菜や魚介類、肉類を揚げる際に衣としてまぶすと、カリカリとした食感に仕上がります。また、特に寒い時期には、飲み物やスープに加えても美味しくいただけます。飲み物やスープに加え、弱火で半透明になるまでかき混ぜてください。ゼリーやケーキなどのデザート作りにも最適です。
葛のレシピ


本日のおすすめ

江戸時代より300年以上、清らかな井戸水を使い「吉野晒し」製法で葛粉を作り続けているメーカーの極上葛粉です。

島根県産の葛の葉と茎を使用した葛ハーブティーです。
2件のコメント
Very informative Thank you
This looks very smoothy and cool how can i buy this kudzu poder if you can show more kudzu demonstration inNHK world it will be very benifisial to people. I like to know what is the differance of corn flour and this kudzi powderMy favourite channel is NHK. I like to see Vinitia’s programme 2 yrs. back. now i have not seen this programme now . thanks.